建設業で新設法人を設立するあなたへ~事業開始に必要な準備とHP開設の重要性~

1. 法人設立と基本情報の整備

まず最初に行うべきは、法人としての設立手続きです。法務局での設立登記はもちろんのこと、以下の基本情報をしっかりと整備しましょう。

  • 会社名: 事業内容に合った覚えやすい名称を選びましょう。
  • 事業目的: 具体的な建設業の種類(土木、建築、電気、管工事など)を明確に記載します。将来的な事業展開も考慮に入れると良いでしょう。
  • 本店所在地: 事務所の住所を決定します。
  • 資本金: 事業規模や許認可取得に必要な金額を考慮して決定します。
  • 役員構成: 代表取締役をはじめとする役員を決定します。
  • 決算期: 会社の会計期間を定めます。

これらの基本情報は、後々の許認可申請や取引先との契約、そしてHPにも掲載する重要な情報となります。

2. 各種許認可の取得

建設業を営む上で最も重要なのが、建設業許可をはじめとする各種許認可の取得です。事業内容や規模に応じて必要な許可が異なりますので、事前にしっかりと調査し、計画的に申請を進めましょう。

  • 建設業許可: 請負金額が一定額を超える建設工事を行う場合に必要です。国土交通大臣許可または都道府県知事許可があります。
  • 宅地建物取引業免許: 不動産の売買や仲介を行う場合に必要です。
  • その他専門工事に関する資格: 電気工事、管工事など、特定の専門工事を行う場合に必要となる資格や登録があります。

これらの許認可情報は、顧客からの信頼を得る上で非常に重要です。HPに許可番号や登録情報を掲載することで、安心感を与えることができます。

3. 事務所・資機材の準備

事業を行うための拠点となる事務所や、工事に必要な資機材を準備します。

  • 事務所: 事業計画に見合った広さ、立地の事務所を選びましょう。
  • 資機材: 必要な工具、車両、安全装備などを揃えます。リースやレンタルも有効な手段です。

事務所の所在地や連絡先は、HPに必ず掲載しましょう。また、保有している強みとなる技術や資機材があれば、積極的にアピールすることで差別化を図れます。

4. 従業員の採用・教育

事業の成長には、優秀な人材が不可欠です。

  • 採用: 事業計画に基づき、必要なスキルや経験を持つ人材を採用します。
  • 教育: 新入社員への教育はもちろん、既存社員へのスキルアップ研修も重要です。

従業員の資格や実績は、顧客への安心感につながります。HPに有資格者数や得意とする工事分野などを掲載することも有効です。

5. 資金調達

事業開始には、設立費用、運転資金、設備投資など、様々な資金が必要です。

  • 自己資金: 可能な範囲で準備しましょう。
  • 融資: 金融機関からの融資を検討します。事業計画書をしっかりと作成し、資金調達に臨みましょう。
  • 補助金・助成金: 国や自治体の制度を活用できるか検討しましょう。

資金調達の状況や実績は、直接HPに掲載する情報ではありませんが、安定した経営基盤を示す上で間接的に影響します。

6. HP(ホームページ)の開設

現代において、HPは企業の顔であり、信頼性を高め、新たな顧客を獲得するための重要なツールです。新設法人こそ、積極的にHPを開設し、情報発信を行うべきです。

HP開設のメリット

  • 信頼性の向上: 会社概要、事業内容、許認可情報などを公開することで、顧客や取引先からの信頼を得やすくなります。
  • 情報発信: 提供するサービスや強み、実績などを効果的にアピールできます。
  • 新規顧客の獲得: インターネットを通じて、これまで接点のなかった潜在顧客にアプローチできます。
  • 採用活動の強化: 会社の理念や働く環境を発信することで、優秀な人材の獲得につながります。
  • 問い合わせ窓口の一元化: 電話やメールでの問い合わせ窓口を明示することで、顧客からの連絡をスムーズにします。

HPに掲載すべき主な情報

  • 会社概要: 会社名、所在地、代表者名、設立年月日、資本金、事業目的、役員構成などを掲載します。
  • 事業内容: 具体的な工事の種類、得意分野、対応エリアなどを分かりやすく説明します。
  • 許認可・資格: 建設業許可番号、宅建業免許番号、その他関連する資格や登録情報を掲載します。
  • 実績紹介: これまでに手掛けた工事の実績を写真や概要とともに紹介します。新設法人の場合は、過去の代表者や従業員の実績を掲載するのも有効です。
  • 強み・特徴: 他の建設業者との差別化となる技術力、対応力、価格などをアピールします。
  • 従業員紹介: 従業員の資格や経験、メッセージなどを掲載することで、親近感と安心感を与えることができます。
  • 採用情報: 積極的に人材を募集している場合は、募集要項や会社の雰囲気を伝えます。
  • お問い合わせ: 電話番号、FAX番号、メールアドレス、問い合わせフォームなどを分かりやすく記載します。
  • プライバシーポリシー: 個人情報の取り扱いについて明記します。
  • 免責事項: HPの利用に関する注意点を記載します。
  • ブログ: 最新の施工事例、業界ニュース、会社の取り組みなどを発信することで、HPの鮮度を保ち、顧客とのコミュニケーションを深めます。

HP開設のステップ

  1. 目的とターゲット層の明確化: どのような情報を発信し、どのような層にアプローチしたいのかを明確にします。
  2. 構成とコンテンツの検討: どのようなページ構成にするか、各ページにどのような情報を掲載するかを計画します。
  3. デザインと制作: 会社のイメージに合ったデザインを選び、HPを制作します。専門の制作会社に依頼することも検討しましょう。
  4. SEO対策: 検索エンジンで上位表示されるように、キーワードの選定や内部対策を行います。
  5. 公開と運用: 作成したHPを公開し、定期的に情報を更新したり、アクセス状況を分析したりしながら運用していきます。

7. 関係機関への届け出・登録

事業開始にあたっては、税務署、都道府県税事務所、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークなど、関係機関への届け出や登録が必要となります。これらの手続きも忘れずに行いましょう。

まとめ

建設業の新設法人が事業を成功させるためには、法人設立、許認可取得、事務所・資機材の準備、人材採用、資金調達といった基本的な準備に加えて、積極的にHPを開設し、情報発信を行うことが不可欠です。HPは、会社の信頼性を高め、新たな顧客や優秀な人材を獲得するための強力な武器となります。

このブログ記事が、建設業で新たな一歩を踏み出す皆様の一助となれば幸いです。しっかりと準備を整え、素晴らしい事業を築き上げてください。

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この記事を書いた人

経営学を学んだ後、内装仕上業、損害保険、注文住宅の営業職として、幅広い業界で経験を積みました。内装仕上業では現場の課題を理解し、損害保険では新規開拓能力を磨き、注文住宅では事業構築やマーケティングスキルを習得。未経験ながら契約を獲得し、最終的には注文住宅事業部の受注数を半期で15棟まで増加させるなど、事業拡大に大きく貢献しました。これらの経験を通じて、現場理解、新規開拓、事業構築、マーケティングなど、多岐にわたるスキルを習得しています。

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